先日、6月11日からGoogle Maps APIが「Google Maps Platform」として名称を変え、新しく刷新されるという発表がありました。
Google Developers Japan: Google Maps Platform の提供を開始 : Google マップのビジネス利用がさらに進化
この変更は非常に大きいもので、特に運用コストに関係する内容になっています。
又、開始日も発表があった2018年5月3日から約1ヶ月後の2018年6月11日と、移行期間がとても短くなっています。
そこで、今回はGoogle Mapsの公式パートナーであるマルティスープ株式会社様にお越しいただき、セミナーを開いていただきました。
未だ不確定な部分が多い中でわかりやすく説明していただきましたので、その一部を簡潔に記録し、変更に対してLCLでは今後どうするべきかを検討してみました。
まだ把握していない方や似た環境にある方は参考にしていただければと思います。
変更内容について
機能ごと価格から細かい変更まで確認すべき点は多くありますが、特に注目すべき変更点は下記の項目となります。
- 変わること
- 価格体系、無償枠
- サポート対象
- API Keyの必須化
- 変わらなかったこと
- ソースコード
価格体系、無償枠
これまで機能単位で請求されていたものが、すべてのアクセスの合算で請求されるようになりました。
無償枠は200ドル分と設定されており、合算の請求額から200ドル分を引いた値段が請求されます。(200ドル未満に収まる場合でも、請求先の登録が必要です)
価格とプラン | Google Maps API の価格とプラン | Google Developers
非公開、会員制といったアクセスに制限のあるサイトにはプレミアムプランの加入が必須でしたが、これは緩和されて義務はなくなりました。
サポート対象
これまではプレミアムプランのみの対象でしたが、誰でもサポートを受けられるようになりました。
API Keyの必須化
API Keyを登録していない場合は、6月11日までに登録する必要があります。
期限までに登録がない場合は、地図がグレーアウトされたり正しく表示されない可能性があります。
ソースコード
既存のソースコードに変更はありません。 しかし、コード内にAPI Keyを埋め込む場合は登録したものをセットする変更が必要です。
気になること
今回の変更に伴い、気になることを整理しました。
- LCLの使用状況では無償枠に収まるか
- 無償枠を超える前にメール通知などを受け取れるか
- 無償枠はプロジェクト単位かアカウント単位か
- iframeタイプの地図も対象か
- モバイルアプリなどSDKも対象か
LCLの使用状況では無償枠に収まるか
夜行バス比較なびでは、Google Mapを全面的に使用していないこともあり無償枠に収まっていました。しかし、今回の変更により、ある程度まとまった額が請求されることになりそうです。 静的画像を用いたり、Google Mapを表示するまでにワンクッション置く等の節約方法があるようですが、少なからずサービスの品質を下げてしまうため検討が必要です。
無償枠を超える前にメール通知などを受け取れるか
Google Cloud Platform Consoleから設定することができます。 アラートの設定の他に、利用料金をかけたくない場合の利用量制限も設定可能なようです。
無償枠はプロジェクト単位かアカウント単位か
詳細はまだ公表されていないようです。
iframeタイプの地図も対象か
iframeタイプは2種類あり、Google Mapの「シェア」機能を使ったものは無償でそのまま使い続けられます。
もう一方のタイプ(embedタイプ)は、費用は無償ですが6月11日までにAPI Keyを登録が必要です。
モバイルアプリなどSDKも対象か
SDKからのアクセスはすべて無償です。WebView上で表示する場合は、SDKではなくAPIを利用することとなるため有償対象となります。
まとめ
キャッチアップせずに放置していたら大変なことになっていました。
無償枠の恩恵が大きく減ってしまい、他の企業の方も検討が必要になりそうです。
LCLとしては、サービスの品質を第一に考え検討しようと思います。
現在はAPI Keyなどに登録漏れがないか等の確認作業をしています。
未だに詳細が公表されていない部分があるようですが、期限は決まっているので早めに対応しておくことをお勧めします。