
SRE兼バックエンドエンジニアの高良です。
LCLのDevin導入日誌① 〜オンボーディングと導入前にやっておいたこと編〜 - LCL Engineers' Blog
Devinの導入から早二ヶ月、弊社内でどのように使われたか、どのくらい成果を出せたのか、こちらにまとめます。
Devinが対応したタスクの効果測定
弊社内ではまだトライアル扱いだったのもあり、Devinが対応するタスクについては
- 人間がやる場合の想定工数、想定人件費
- Devinの消費ACU
などの情報をスプシにまとめつつ利用していました。

これらの成果をまとめた結果が↓です。
終わらせたタスク(レビュー待ちも含む): 19件
人間がやった場合の人件費(想定): ¥374,000
Devinの稼働にかかったコスト: ¥30,819
このような感じで、当初想定されていた実装工数とDevinの消費クレジット額を比較した結果、¥343,181のコスト削減をした上で実装してくれました。(かなり雑な計算ですが)
利用したメンバーの感想
実際に利用していたメンバーにヒアリングした感想がこちらです。
良かった点
- 成果物の精度が割と高め。6~7割くらいのタスクは80%くらいの完成度で仕上げてくれる
- リポジトリ横断して作業してくれるのが助かる
- Cursor, ClaudeCodeと違って非同期で進めてくれるので、自分の手を止めずに済む
気になった点
- ドメイン知識多めのプロジェクトとは相性悪い
- Viewの変更に弱い
- 完全にワンショットの指示で完結するタスクはあまりない。追加の指示を数回出して完成する感じ
- Devinがうまく解釈できなかったタスクについては、全然見当違いの成果物になってしまう
今後の運用について
上記の意見を踏まえたうえで、弊社では引き続きCoreプランを利用し、都度課金方式で利用していくことになりました。
なぜ上位のプランTeamプランでなく、Coreプランのままなのか?
今後の利用にあたり上位のTeamプランも検討しましたが、
- 今の利用状況だと$500はまだペイできない
- しかし、現状購入したクレジット分でも成果は十分出せている
- 上位のTeamプランでしか使えない機能(Devin APIや無制限のセッション立ち上げなど)を、現在は特に必要としていない
参考: プランによる機能の違い(2025年7月現在)
| Coreプラン(現在) | Teamプラン | |
|---|---|---|
| 月額料金 | なし。ACUは都度課金。 | $500(250ACU含む) |
| 1ACUあたりの料金 | $2.25(≒¥320) | $2.00(≒¥290) |
| Devin API | - | 利用可 |
| 並行セッション数 | 10 | 無制限 |
このような理由で引き続きCoreプランを利用することになりました。
自分の感想
生成AIとの付き合い方として、 労力は外注できるが、能力は外注できないというコメントを見かけましたが、Devinのような自律性の高いAIだとそれがより浮き彫りになるなと感じました。
要件定義や設計など、上流工程の業務に慣れていたり、ドメイン知識に詳しいシニア寄りのエンジニアほど解像度が高く指示が出せており、レビューも素早くこなせている印象です。
そのためAIに任せるタスクの範囲を増やすには、自身のスキルの底上げも必要だと痛感しました。
そのような中での一番のメリットは、開発チームの要であるシニア・ベテランエンジニアが、より事業価値の高いタスクにコミットできることかと思いました。
今後も定期に発生する保守系のタスクはAIにガンガン任せられる体制を整え、人間はよりサービスの価値向上が望める新機能追加などのタスクに集中できる環境にしていきたいですね。
AI周りの環境変化は相変わらず続いているので、引き続きキャッチアップを進めていきます。