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物理カンバンとWeb上のカンバンでの進捗管理の比較

フロントエンドエンジニアの川辺です。
今回はある新規案件のフロントエンド側の進捗管理に物理カンバンを使用したので、
普段使っているWeb上のカンバンと比較した場合のメリットとデメリットを紹介できればと思います。

物理カンバンを使用した背景

まずは物理カンバンを使用した背景を簡単に紹介したいと思います。
案件が始まった当初は今まで通りWeb上のカンバンで開発を進めていたのですが案件自体に以下のような問題がありました。

  • リリース日が明確に決まっていて開発のための時間があまりない
  • ディレクターさんと仕様の認識の齟齬が多発する
  • 残タスクの全体が把握できていない
  • フロントメンバーのスキルにバラツキがある

これらの問題がある状態でミーティングをする中で一度残タスクを付箋に書いていき、整理する中で物理カンバンを導入するようになりました。

実際の流れとしては週に一度フロントエンドチームで集まって話し合いながらカンバンを更新し、その後にディレクターさんを交えて次週までにやることを決める運用でした。
リリース日も決まっていてフロント側のリソースも限られていたので、この機能はリリース後の対応でもいいのか、などの優先度の相談もその場で行なっていました。

ミーティング以外の日はリモートで働いている人もいるため、日々のカンバンの更新は出社している社員が物理カンバンを更新して写真を撮って共有していました。

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各カンバンのメリット・デメリット

物理カンバンで進捗管理をするのと、普段使っているWeb上のカンバンでの進捗管理を比較して、感じたメリット・デメリットと整理しました。

物理カンバン

  • メリット
    • 自分たちのやりたいように柔軟に対応できる
    • 話し合いながら現在の状況が整理され、共通認識が生まれる
    • ひと目で全体が把握できる
      • 残タスクが体感的にどのくらいかわかる
      • 誰が何をやらなければいけないのかがすぐにわかる
  • デメリット
    • タスクを書くスペースなどに物理的な制約がある
    • 人数が多すぎると管理しきれなくなる
    • リモートの人とカンバンを共有するのが難しい

Web上のカンバン

  • メリット
    • 現在の状況の共有がスムーズ
    • 場所や時間にとらわれない
    • 過去にやったタスクの記録が残る
  • デメリット
    • イレギュラーな使い方が難しい/できない
    • タスクの量が増えすぎると埋もれてしまう

所感

個人的に物理カンバンの一番良かったと思う点は、複数人で集まって話し合っているときに浮かんできたアイデアをすぐに形にすることができたことです。
例えばここまでのタスクは今週中にやろうと決めた場合は、物理カンバンなら簡単にまとめることができますが、 Web上のカンバンだと今週対応のレーンを用意してそこにタスクを追加する作業が発生します。
案件が始まった当初は手探り状態だったので、良いと思った方法をすぐにカンバンに反映させることができる点は大きかったです。
Webカンバンでは思いついた方法をどうやれば実現できるかを考える必要があり思考が中断されてしまうのでものすごくもったいないことだと思いました。

結論としてはプロジェクト序盤の混沌とした状態の時には物理カンバンで運用して、ある程度運用が安定してきたらWeb上のカンバンに移行する流れが良いのではないかと思いました。 実際の運用でも物理カンバンは何度か大きく構造を変更し最終的に安定してきたタイミングでWeb上のカンバンに戻りました。
アナログで始めて安定してきたタイミングでデジタル化する流れは進捗管理だけでなく、プレゼンテーションの構成の検討や、プログラミングで複雑なロジックを考える時にも使えるテクニックだと思いました。